僕の一日 118

大晦日は実家に帰って久しぶりに家族3人で過ごした。
母が嬉しそうにごちそうの用意をしてくれ、
弟は冬休み中だけバイトをしていると教えてくれた。

元旦も雑貨屋は通常営業で俺は遅番のため、
午前中に帰らなければいけないことを母に伝えると、
「お正月くらい休めばいいのにね」と残念そうな顔をして呟いた。

帰り際に母がたくさんの手料理を持たせてくれ、
弟には「兄貴の店の福袋を買っておいて」と頼まれた。


元気な母と弟の顔を見て、心が和んだ。

弟が大学を卒業すれば、必死になって稼ぐ必要もなくなる。
実家に戻って近い所で仕事を探して静かに暮らすのもいいかもしれない。
そんなにいい給料じゃなくても家賃がないから充分暮らしていけるだろう。
弟が卒業するまでホストクラブで働いてお金を貯めて……。
もっと勉強したいって言うならその分の学費を出したってかまわない。

とにかく弟が就職するまで俺はホストをやる。
あとは母に無理をさせない事。

それを糧に俺はいま頑張ることが出来ている。

家族の為に頑張れるのは幸せだ。

だから、辛くはない。


あの日、俺が家族を守るって決めたんだから。


弟は就職して、結婚したらいつか家を出るだろう。
俺の助けなんか要らなくなる。
考えたくはないけれど、順番からいったら母が最初に死んでいく。

そうしたらこの家に俺一人。


守るものもなく、没頭できる趣味もなく、何を糧に頑張ればいいのだろう。



ひとりでいることは辛くはない。
他人の空気を飲み込み、耐えるくらいならひとりがいい。
そこに嘘はない。

でも、もしも。
もしも俺を分かってくれる人がいるなら、
そばに居て安心できる人がいるなら、
その人のために生きて行こうと思えたなら。


それは幸福なことなんじゃないのか。


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| 「僕の一日」  | 02:35 │Comments0 | Trackbacks0編集

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