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僕の一日 116

“クリスマスまでは忙しいんじゃないかと思って”

そんなことを考えてくれる人が心底ありがたいと思う程、
雑貨屋もホストクラブも、とにかく忙しかった。

雑貨屋といえばオープンと同時にお客が来て、
多くがプレゼントでラッピング希望。
さらには冬休みに入った学生がオープン直後から来るようになり、
店内はいつもの平日が嘘みたいに人で溢れていた。
休憩は全員バックルームでとり、いつでも入れる様にして、
学生バイトの奥村くんと志季さんもフルタイムで出勤。
商売と思えば嬉しいことだけれど、
時給がいつもと同じあることを考えると複雑な気持ちになった。

ホストクラブはクリスマスイベントが行われることもあって、
いつもよりたくさんのお客が入り、店の中は大賑わい。
おかげでこっちは閉店時にはぐったり。
いや、ここは感謝すべきところだ。

イブの24日は雑貨屋が早番で終わり次第ホストクラブ。
日付が変わって25日の朝一の電車で帰ってきて、
ほとんど寝ないで雑貨屋早番、その後ホスト……という具合。
いつもそうして働いているけれど、
あの殺人的な忙しさの2日間といつもを比べてはいけない。

本当にきつかった。

そして今日、26日も早番だったのは運が悪かっただけと思いたい。
決してシフトを作っている店長のせいではない。
休みの希望は特に出さず、雑貨屋のシフトに合わせてホストクラブで働いているため、
体力と睡眠からみると酷い状態になることが多々あるけれど、
ホストをしていることは誰にも言っていないし、
俺が勝手にしているんだから仕方のないことだ。


買い物に寄る体力もないまま雑貨屋から帰って、
湯船にゆっくりとつかって疲れた身体を休めようとしていたところに、
仕事(ホストクラブ関係)専用の携帯が鳴った。

昨日からメールやら電話がかかってきてはいるのだが、
返信する時間もなければ気力もなく、
一部の客を除いて多くが目を通すだけ終わっている。
返信は明日まとめてしようと思っていたところだった。

『もしもし』

「あの、いま大丈夫ですか?」

いつものように緊張した声が聞こえてきた。

『うん、大丈夫だよ』

「クリスマスは忙しいだろうと思ってたんですが、
 お仕事はどうでしたか?」
 
『あー、うん、すごい忙しかったよ。
 今日は休み。歩さんはもう落ち着いた?』

「はい」

『そっか、よかったね』


流れ込んでくる歩さんの声はいつもと変わらず心地が良い。
すっと心が落ち着いてくる。


「あ、あの!」

『うん?』

「すこし、会えませんか?」

『……いまから?』


時計を見ると夜の7時を過ぎている。
当然外は真っ暗だ。

「すみません疲れているのに」

確かにこの上なく疲れ切っている。
すぐにでも寝たい。
けれど……。

『いいよ、すぐに出られるし。どこに行けばいいかな』

クローゼットから服を取りだす。

「どこが一番近いでしょうか?」

『そうだね……』


実際は電車で20分もかからないところに歩さんは住んでいるけれど、
あんまりあの辺りはうろつきたくない。
このあいだ突然告白してきた女の人が通っている大学があそこにある。
もちろん歩さんもそこの大学生だし、
歩さん自身も人に見られたくないかもしれない。

『それじゃあ……』

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| 「僕の一日」  | 13:55 │Comments0 | Trackbacks0編集

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