春の一日 12

12


人との付き合いは面倒なことが多いし、特に恋人関係になると厄介でしかない。
告白されてなんとなく付き合って、でもやっぱり面倒になって別れるの繰り返し。
相手を本当に好きだと思ったこともない。

相手も相手で目当ては俺の顔というのが多く、
人間関係に淡白なことなど気づきもせずに、
メールを毎日しなかったり週1でデートに誘わないと、
文句を言う女性が多かった。
俺の性格など知りもしないで好きだと言ってくるのだ。
仮に一目惚れで性格を知らなかったとしても、
好きな相手にある程度はペースを合わせたりするものじゃないのかと言いたくなる。

友達に「なんで女はあぁも面倒くさいのか」と聞くと、
「そりゃ、お前程の高物件を放置してたら誰に盗られるかわかんねーから、
 首輪をつけておきたいんだよ」と言われた。
「たまにメールしたりデートしたりするだけで満足する女はいないのか」と聞けば、
「そういう控えめな女が、派手で美人な女に囲まれてるイケメンに手を出すかよ。
 好きだと思っても告白する前に女どもにボコられるのが怖いんだよ」と、
目から鱗の回答をもらった。

確かに俺のことを好きだと告白してくる女性は、
綺麗で自分に自信あって飾りたてる人が多かった。

「女は化粧してオシャレするのが当たり前」と言われればそうなのだが、
それがあまり好きではなかった。
「じゃぁ地味でダサい女がいいのか?」と言われればそういうわけでもない。
「結局どっちなんだよ」という話になるが、
見た目を飾るのはいいが、中身まで飾られると嘘をつかれているようで嫌なのだ。

オシャレ=猫をかぶっている、と思っているわけじゃない。
けれど俺の彼女でいるために必死にメイクをして髪を整えて、
高価な服やバッグを身に着けて、見た目ばかりか性格そのものまで飾って、
変な女らしさをアピールする人が多かった。

俺の為に努力をしてくれていたのかもしれない。

でも俺は一度だってそれを求めたことはない。
俺の彼女として一緒にいて恥ずかしくない格好をしろだとか、
雑誌のモデルみたいにオシャレしろとか言ったことなどない。
なのに見た目に手を抜いたり、
女らしさが足りないと思われたらような行動をとったら、
その瞬間、俺が別れを切り出すんじゃないかと思っているらしく、
「世の男がいう理想の女」になろうと必死に繕っている女性ばかりだった。

繕うという事は、俺の前では素顔を見せていないということ。
だったら俺の彼女じゃなくてもいいだろう。

欲しいのは「斉藤葵」という彼氏。
自分の価値を上げるため、俺の彼女という立場が欲しいだけ。

今まで付き合った女性が全員そんな風に考えていたと思っているわけじゃないが、
そういう風に感じられる人が多かったから、
いつの間にか決まった女性を特別扱いするのが億劫になっていた。


そんな中、石川は俺にとって珍しいタイプの人間だった。



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| 「僕の一日」  | 03:49 │Comments0 | Trackbacks0編集

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