春の一日 5

5

自分を大切に出来ず、自信も持てず、自分自身のことすら理解できない彼女は、
他者に必要とされることが必要となってしまっている。


自傷行為をやめられない有利の世話をしても、
たとえ彼が好意を寄せたとしても、
彼の病んでしまった心の回復を遅らせているにすぎないのだ。


辛い思いをしている人を助けたり、共感してあげたり。
そんなことを繰り返すことで、いつか自分を許せるときが来ると彼女は信じている。


違うよ、違うんだ。
はじめから誰も責めてはいないんだ。
君の責任じゃないんだよ。


失ってしまったのは君のせいじゃないんだ。


毎年訪れる寒い季節も、真っ白な雪も、君を責めているわけじゃない。

そう言えたらどんなにいいか。



「もう休もう。石川が眠るまでここにいるから」

「ほんとに?」

「うん」


深く息を吸い込み俺の肩に額を押し付けて、「ごめんなさい」とつぶやいた。


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| 「僕の一日」  | 16:48 │Comments0 | Trackbacks0編集

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