僕の一日  29

誰もいない部屋の中でいつものようにソファーの上に横になる。
彼女がいなくなってしまった寂しさに押し負けてしまいそうになる。
ひとりでいることは平気だったのに、彼女に出会って寂しいと思うようになってしまった。
彼女に会わなければこんな思いをすることもなかったのに。

そう。
寂しいんだ。

中学生になった頃には、すでに感覚がおかしくなっていたかもしれない。
誰かに背を向けられても胸は痛まなかったし、
好意を寄せられてもそれを嬉しいとも思わなかった。
友達は「お前はみんなに同じように優しい」と言う。
「だから女は勘違いすんだよ」と、少し皮肉った言葉も付け加えて。
平等ではなく、どうでも良かったんだと思う。
自分の中で特別と思う人がいなかった。
ただそれだけの話。
きっと冷めた目をした子どもだった。

それが今になって寂しさを感じるようになった。
人として当たり前に。


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| 「僕の一日」  | 13:20 │Comments4 | Trackbacks0編集

コメント

ひとりでいることは平気だったのに、彼女に出会って寂しいと思うようになってしまった
↑これ、ものすごくよく分かります。
知らない間は人は求めない。
ああ、優ちゃんの心そのものです。

最近の若い人は…
確かにそういう傾向ありますね。
でも、そういう人が増える一方で、心が透明過ぎて、この世の中でうまく生きられなくなっている若者も増えているんです。
そういう気がします。

‘育てられなかった子ども’
と、よくそういう表現を使いますが、今、「親」は食事を与えて服を着せて学校に送り出す以外の、もっと根本的な世話をしない、つまり育てていないネグレクト状態、或いは、過干渉、その両極端です。
だから、こういう柔らかい優しさを描く世界には余計に焦がれるのかな、と。

2012.04.03(Tue) 09:54 | URL | fate|編集

優ちゃん!!・・・いいなぁ・・・・あの話もいいけど二人の関係もいいなぁぁ・・・・。
あぁ!続きが!!気になる!!

時々テレビで流れるニュースを見て、痛いなぁって思います。
子供には罪はないのに。

そういうの、きっといっぱいあるんだろうなぁって考えると寂しいですね。

せめて架空の中の人たちには幸せになって欲しいですね。

2012.04.13(Fri) 19:19 | URL | ハル|編集

はじめまして。
はじめまして、みづき海斗と申します。
ブログで小説を書いています。
トラコミュから来ました。
小説面白いですし、猫を見ると追っかける作者様が面白いです。また、遊びに来ますね。

2012.05.09(Wed) 17:41 | URL | みづき海斗|編集

みづき海斗様
ご訪問・コメントありがとうございます。
猫が好きで見かければ追っかけてしまうのです・・・そして逃げられます。

いまちょっと忙しくて自分のブログ自体も更新できずにいますが、
時間が出来たら、是非遊びにいかせてください。

2012.05.15(Tue) 15:04 | URL | ハル|編集

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