僕の一日  15

自分の唸り声で目が覚める。
時計に目をやると、まだ午前3時過ぎだ。
嫌な夢を見ていた訳ではないのだけれど、汗だくになって過呼吸を起こしていた。

過呼吸はもう慣れた事だった。

ソファーから起き上がり、台所へと向かった。
コップ1杯の水を無理矢理流し込み、寝ぼけた頭を叩き起こそうとした。

『っ・・・・はぁ・・・』

意識がしっかりしてきても、過呼吸がそんな簡単に治まる分けではない。
流し台の前で、うなだれた顔をしながら軽く咳き込んだ。
涙が出てきた目を細め、視線を宙にそらしたとき、きれいに洗った食器が目に入った。
彼女がここに居た跡。

いまは居ない。
疲れきって今ごろ深い眠りの中だろう。


彼女は、ここには、いないんだ。


『・・・はぁ・・はぁ・・・』


まずい。
考えてはいけない。
大丈夫。いつもの事。
何も問題はない。

      
誰か・・・。


 
“誰か”


誰かなんて、そんなこと。   

分かっているじゃないか。
  

『分かってんだよっ!!』


無理やりに吐き出した言葉のあと、目には玄関が映っていた。
無意識に玄関の前まで歩いていた。

誰もいない玄関。

思い出したのは昨日の出来事。


胸を押さえながら玄関を見つめる。

音はしない。

気配もない。


誰も居るはずのない、部屋。



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| 「僕の一日」  | 16:26 │Comments2 | Trackbacks0編集

コメント

しんどいでしょうねぇ
私は大阪人ですので、彼の生活を読んでいると「ああ、しんどいよねぇ。しんどい毎日やねんやろうなぁ」とため息をついてしまいます。

繊細な人間には生きにくい世の中ですものね。
それでもまだしも、最近のほうが精神的な病には周囲の理解が得やすくなっているかもしれません。ほんのちょっとだけ。

彼女は世話好きなのか、彼だからこそ世話をしてやりたくなるのか。
うっとうしいとは思わず、彼も「彼女がいると空気が優しくなる」と感じているわけですが、きっとこのふたり、前途は多難なんでしょうね。

2012.10.30(Tue) 10:45 | URL | あかね|編集

あかねさま
なんかバレてる?!
すでにバレてる感じがします!!

心情を書くのが下手で頭の中に画があるけど、ポワンとしか表してないのに何故?!
すごいです!あかねさま!

ちゃんとした(?)大阪弁を生で聞いたことがない私です。
大阪出身じゃない人が、知ったかぶりして話したりするとバレるのは本当なんでしょうか?
俳優さんや声優さんが大阪弁で話しているのを、どこもおかしくないよなぁって思いながら聞いてます。
実際のところはどうなのでしょう?!

2012.10.31(Wed) 00:38 | URL | ハル|編集

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