僕の一日 91

12月1日、朝7時。快晴。

普段はあまりつけないテレビをつけ、洗濯機を回し、
昨日の帰り道にコンビニで買ったパンをトースターで焼いて食べた。

お天気おねえさんの明るい声を聞きながら、
半年以上クローゼットにしまいこんでいた掛布団を、
同じく奥へしまい込んだままだった布団乾燥機に入れてスイッチを押した。
寒いと思いながら毛布だけで寝ているのが悪いのだ。
なんだかここ一か月、そういうのに頭が回っていなかった気がする。

クリーニングの袋に入れっぱなしのダウンジャケットを取り出し、
陽に当たるようカーテンレールの上にひっかけた。

今日は洗濯物を干したら病院に行って、帰ってきたら部屋の掃除をして、
たまには家で何か作って食べよう。
お昼御飯が終わったら歩さんに連絡してみて、今日の夕方時間が取れるか確認して、
来れるようなら昨日と同じファミレスに来てもらって、話の続きをしよう。


“心配しないで”
“あとで電話するから”


電話で少し話しただけでこんなに気持ちが楽になるなんて、
俺はどれだけ彼女に依存しているんだろう。
恋人でもない人にこんなに依存していいのだろうか。
だからって突然、彼女がいなくなるなんて考えられないし、
そうなったら俺はたぶん、ある意味でダメになってしまう気がする。

これから先ずっと彼女の近くに居られると考えない方がいい。

そのうちこんな関係は終わってしまう。


だから期待しない方がいい。


大丈夫。
わかってる。
期待はしない。
ひとりでも平気。

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| 「僕の一日」  | 02:24 │Comments2 | Trackbacks0編集

僕の一日 90


斉藤さんに頼まれシフトを交換し、早番出社した次の日、
閉店間際に休んでいた彼女からお店に電話があった。

「あ、もしもし有利くん?ごめんね私の代わりに出社してくれたって。
 明日はちゃんと出社できるから」

具合が悪かったなんて感じさせない、いつもの明るい声。

『いえ、良かった……なんか俺が迷惑かけたから気になっていて……』

受話器を握るてに力が入る。
鼓動が早くなるのを悟られないよう、声を抑えた。

「違うよ!それは関係ないから、心配しないで」

『そうならいいんですが……』

「こらぁ、なんかまた敬語になってきてない?なんで?」

『え?あれ?……なんでだろ……』

「まぁあとで電話するから。店長に代わってもらえる?」

『あ、ちょっと待ってて』

保留ボタンを押して受話器を置いた。
バックルームで必死で何かを探している店長に、
石川さんからの電話があることを伝えた。

明日は彼女が出社する。
俺は休みだ。
少し残念だけど、あさってには会えるわけだし。

そうだ。
12月は忙しくなるから、明日のうちに病院に行って薬をもらっておこう。
薬がなくなりそうになって慌てることもない。
ホストの仕事があるけど、その前に歩さんの都合が良ければ、昨日の話の続きを聞こう。
ホストの方も12月はクリスマスとカウントダウンで忙しいから、
今年は歩さんに割ける時間は少ないだろうけど、
来年になればそれなりに時間を作れるはずだ。
俺が完全に治してあがるなんて、思上がってるつもりはないけど、
きっかけになってくれたなら、それは嬉しいことだ。
DVがあったのは最近のことのようだし、時間が経てば変わってくることもあるだろう。
少しずつでも良い方に変わってくれたならいい。

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| 「僕の一日」  | 02:02 │Comments2 | Trackbacks0編集

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