『僕の一日』 


                    た
                    だ
 
                    わ
                    か
                    っ
                    か
                    く
                    れ
                    る
                    だ
                    け
                    で
                    よ
                    か
                    っ
                    た
                    は
                    ず
                    な
                    の
                    に

 

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春の一日
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夏の一日
123456

秋の一日
1234567

冬の一日
1234567


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| 「僕の一日」  | 02:36 │Comments6 | Trackbacks1編集

僕の一日 118

大晦日は実家に帰って久しぶりに家族3人で過ごした。
母が嬉しそうにごちそうの用意をしてくれ、
弟は冬休み中だけバイトをしていると教えてくれた。

元旦も雑貨屋は通常営業で俺は遅番のため、
午前中に帰らなければいけないことを母に伝えると、
「お正月くらい休めばいいのにね」と残念そうな顔をして呟いた。

帰り際に母がたくさんの手料理を持たせてくれ、
弟には「兄貴の店の福袋を買っておいて」と頼まれた。


元気な母と弟の顔を見て、心が和んだ。

弟が大学を卒業すれば、必死になって稼ぐ必要もなくなる。
実家に戻って近い所で仕事を探して静かに暮らすのもいいかもしれない。
そんなにいい給料じゃなくても家賃がないから充分暮らしていけるだろう。
弟が卒業するまでホストクラブで働いてお金を貯めて……。
もっと勉強したいって言うならその分の学費を出したってかまわない。

とにかく弟が就職するまで俺はホストをやる。
あとは母に無理をさせない事。

それを糧に俺はいま頑張ることが出来ている。

家族の為に頑張れるのは幸せだ。

だから、辛くはない。


あの日、俺が家族を守るって決めたんだから。


弟は就職して、結婚したらいつか家を出るだろう。
俺の助けなんか要らなくなる。
考えたくはないけれど、順番からいったら母が最初に死んでいく。

そうしたらこの家に俺一人。


守るものもなく、没頭できる趣味もなく、何を糧に頑張ればいいのだろう。



ひとりでいることは辛くはない。
他人の空気を飲み込み、耐えるくらいならひとりがいい。
そこに嘘はない。

でも、もしも。
もしも俺を分かってくれる人がいるなら、
そばに居て安心できる人がいるなら、
その人のために生きて行こうと思えたなら。


それは幸福なことなんじゃないのか。


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| 「僕の一日」  | 02:35 │Comments0 | Trackbacks0編集

僕の一日 117

指定した場所は5つ隣の駅。
俺自身はほとんど利用したことがない場所だ。

『こんばんは』

俺より先についていた歩さんが改札口付近で待っていた。

「こんばんわ!あの、突然すみませんでした」

『大丈夫だよ。それよりどこかお店に入る?
 寒いし、ご飯がまだなら一緒に食べようか』

「いいんですか?」

『うん、終電まで間に合えば時間は大丈夫だよ』

俺の言葉を聞いて嬉しそうに笑う歩さんの手に、
バッグのほかに小さな紙袋が握られてるのに気づいたが、
すぐに視線をはずして駅近くの飲食店を探しに歩き出した。


駅をから数分のところにある居酒屋に個室があったので、
その店で夕飯をとることにした。
居酒屋だというのに2人が注文したのはいつも通りジュース。
きっと店員は「なんで居酒屋にきて酒を頼まないんだ」って思っているだろう。


「今日はお休みですもんね」

『え?』

「格好が普通だから」

『ああ、そっか。そうだね』


歩さんは俺が日中普通にバイトしていることを知らない。

「ちょっとびっくりしました。ホストのときとの差があって」

『お店では黒っぽいスーツ着てるけど、普段はああいう格好じゃないよ』

「さっき駅で会ったとき、最初誰かわからなかったです」

『そんなに?』

「だって、前髪もおろしてるし」

『あ、そうだね』


ホストクラブで働くときはきっちり前髪は上げているが、
普段はなにもつけずにそのままだし、
今日の格好と言えばジーンズにロンTにカーディガン。
歩さんと会うときはいつもホストクラブで働く前か後だったから、
お店で働いているときの格好しか見たことがないのは当然だ。

「別人みたいですね」

『変?』

「いえ、今の方がいいです」

『働いててなんだけど、ああいうスーツは好きじゃないんだよね』

「でもホストの服も似合ってます」

『ありがと』


素直に感謝の言葉を述べると、
顔を真っ赤にして小さな声で「いえ」と呟いた。


運ばれてきた料理を食べながら、
いつものように歩さんの話を聞いた。
大学のこと、買い物に行ったこと、
最初にホストクラブに来たとき一緒にいた友達の美貴さんと遊んだこと。
おそろいの来年の手帳を買ったこと。

充実した毎日を送っている姿が目に浮かんだ。

『美貴さんは歩さんと俺が会ってること知ってる?』

「はい、いつも話聞いてもらってます」

『そう』

「あ、でもほとんど私が思ったことだけで、
 その、直哉さんが話していたこととかはあんまり話してないです」

『うん、ありがとう』

「あ、あの!」

『うん?』


お腹が空いていた俺は運ばれてきたお茶漬けをサラサラと流し込み、
アジの開きをつついていた。
歩さんの話は聞いているけれど、気持ちは食べる方に向いていた。

「あ、あの私……」

『…どうしたの?』

視線を向けると小さな紙袋を手にしてた。

「これ……いつもこうして会って頂いてるお礼ですっ !」

勢いよく差し出された紙袋には、
有名なブランドの名前が印刷されている。

『ありがとう』

ホストとしてではなく知人として普通に相手をすると決めたのだ。
ここで拒否しては失礼になってしまう。
あくまでお礼として素直に受け取った。

「いえっ!」

『開けていい?』

「は、はい……」

袋の中には小さな箱が入っていて、
その中にはシンプルで細い2重巻のレザーブレスレットが入っていた。

学生には高い買い物だっただろう。

幅の広いレザーブレスレットをしている左手ではなく、
何も着けていない右腕につけた。

『どう?』

手を動かすと恥ずかしそうに笑いながら小さな声で、
「似合ってます」と呟いた。

「どんなのが好きなのかよくわからなくて、
 いつも左手にレザーブレスレットをしているのが見えたので、
 そういうのが好きなのかなぁって……」

予想外の言葉に少し驚いた。
絶対に袖口はボタンをはずさないし、
シャツ自体も細身のものを着ている。
なるべく手首が出ないようにしているのだけれど……。
そもそもそんなところに気をつける余裕なんてないと思っていた。

『うん、こういうシンプルなのが好き』

ブレスレットをながめ呟いた。

「あの……」

『ん?』

「指輪はめてるの、めずらしいですね」

右手薬指にはまっている指輪を見つめながら歩さんが言った。

「いままでしていたことないですよね?」

『あぁ、これは……』


雑貨屋の商品であまり売れ行きが良くないからと、
スタッフ全員がはめて仕事をすることになっていた指輪だ。
今年いっぱいはしているようにと言われている。
ロッカーに置いてくるのを忘れてしまったから、
明日忘れないようにと、はめたままにしていた。

『ちょっとね』

一言だけで言葉を切ったのを気にしてか、それ以上何も聞かれなかった。

『歩さんは指輪はしないの?』

「え?えーと、指輪はひとつしか……」

『あんまり好きじゃない?』

「というか、ちょっとハードルが高いっていうか」

『ハードルが高い?』

「自分で買うのに気が引けちゃうって言うか、恥ずかしいっていうか」

『そうなんだ、似合うと思うけどなぁ』

「そ、そうですか?」

歩さんの声が上擦る。

『うん、シンプルなのもいいけどこういう大きめの石がついたのもいいと思うよ。
 はめてみる?』

「いいんですか?」


薬指から指輪をとって歩さんに渡すと、
緊張した表情で右手の中指にはめた。

『うん、似合ってるのになんだろう、サイズが大きすぎるね、ごめん』

「いえ!そんなこと」

『俺も細い方だけど歩さんも細いね』

「そうですか?」

『うん。指輪似合うから気負わずつけてみるといいよ』


指輪をはめた手を見つめながら小さな声で「はい」と呟いて嬉しそうに笑った。



運ばれてきた料理を食べ終えて、
もう少ししたら店を出ようとしていた時。

歩さんがストレートの綺麗な黒髪を耳にかけた。

『あ……』

「え?」

『ごめん、なんでもない』


今までイヤリングもしたことがなかった石川さんが、
10日位前に突然ピアスをしてきた。

だから何だ、という話だけれど、
なんとなく彼女の中で変わっていっているものがあるよな気がした。


『あのさ』

「はい?」

『今までイヤリングをしたことなかった人が、
 急にピアスをつけるって、なにか意味があると思う?』

「ピアスですか?」

『うん』

「うーん、ピアスだと穴開けるのが怖いけど、
 イアリングよりピアスの方がお洒落だし色々つけらる感じもするし、
 落としたりして失くす心配がないっていうのはあると思いますけど……」

グラスの中を見つめながら歩さんが言葉を続けた。

「でも好きな人からプレゼントされたら、
 怖くてもそれをつけたくて穴を開けるかもしれないです」


いつも彼女はネックレスやブレスレットを服装に合わせてつけてきているけど、
一度だってイヤリングをしてきたことはなかった。



『そうだね、そういうこともあるよね』


彼女の変化の理由を知るのが怖い。


明るく元気になっていっているなら良いことのはずなのに、
どうしてだろう。

その理由が斉藤さんだって思うのは。


彼女を変えているのは、斉藤さんかもしれないって。

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| 「僕の一日」  | 03:21 │Comments0 | Trackbacks0編集

僕の一日 116

“クリスマスまでは忙しいんじゃないかと思って”

そんなことを考えてくれる人が心底ありがたいと思う程、
雑貨屋もホストクラブも、とにかく忙しかった。

雑貨屋といえばオープンと同時にお客が来て、
多くがプレゼントでラッピング希望。
さらには冬休みに入った学生がオープン直後から来るようになり、
店内はいつもの平日が嘘みたいに人で溢れていた。
休憩は全員バックルームでとり、いつでも入れる様にして、
学生バイトの奥村くんと志季さんもフルタイムで出勤。
商売と思えば嬉しいことだけれど、
時給がいつもと同じあることを考えると複雑な気持ちになった。

ホストクラブはクリスマスイベントが行われることもあって、
いつもよりたくさんのお客が入り、店の中は大賑わい。
おかげでこっちは閉店時にはぐったり。
いや、ここは感謝すべきところだ。

イブの24日は雑貨屋が早番で終わり次第ホストクラブ。
日付が変わって25日の朝一の電車で帰ってきて、
ほとんど寝ないで雑貨屋早番、その後ホスト……という具合。
いつもそうして働いているけれど、
あの殺人的な忙しさの2日間といつもを比べてはいけない。

本当にきつかった。

そして今日、26日も早番だったのは運が悪かっただけと思いたい。
決してシフトを作っている店長のせいではない。
休みの希望は特に出さず、雑貨屋のシフトに合わせてホストクラブで働いているため、
体力と睡眠からみると酷い状態になることが多々あるけれど、
ホストをしていることは誰にも言っていないし、
俺が勝手にしているんだから仕方のないことだ。


買い物に寄る体力もないまま雑貨屋から帰って、
湯船にゆっくりとつかって疲れた身体を休めようとしていたところに、
仕事(ホストクラブ関係)専用の携帯が鳴った。

昨日からメールやら電話がかかってきてはいるのだが、
返信する時間もなければ気力もなく、
一部の客を除いて多くが目を通すだけ終わっている。
返信は明日まとめてしようと思っていたところだった。

『もしもし』

「あの、いま大丈夫ですか?」

いつものように緊張した声が聞こえてきた。

『うん、大丈夫だよ』

「クリスマスは忙しいだろうと思ってたんですが、
 お仕事はどうでしたか?」
 
『あー、うん、すごい忙しかったよ。
 今日は休み。歩さんはもう落ち着いた?』

「はい」

『そっか、よかったね』


流れ込んでくる歩さんの声はいつもと変わらず心地が良い。
すっと心が落ち着いてくる。


「あ、あの!」

『うん?』

「すこし、会えませんか?」

『……いまから?』


時計を見ると夜の7時を過ぎている。
当然外は真っ暗だ。

「すみません疲れているのに」

確かにこの上なく疲れ切っている。
すぐにでも寝たい。
けれど……。

『いいよ、すぐに出られるし。どこに行けばいいかな』

クローゼットから服を取りだす。

「どこが一番近いでしょうか?」

『そうだね……』


実際は電車で20分もかからないところに歩さんは住んでいるけれど、
あんまりあの辺りはうろつきたくない。
このあいだ突然告白してきた女の人が通っている大学があそこにある。
もちろん歩さんもそこの大学生だし、
歩さん自身も人に見られたくないかもしれない。

『それじゃあ……』

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| 「僕の一日」  | 13:55 │Comments0 | Trackbacks0編集

僕の一日 115

クリスマス前になるとカップルが増えるのは気のせいではない、と思う。
街を歩けばやたらとイチャついたカップルを見かける。
普段からそんな光景は見慣れているけれど、
どうしてか寒い季節にそれを見せつけられると、
ほんの少し寂しさを感じる。

傍から見れば俺のようなホストはいつも女の人に囲まれて、
選びたい放題、選り取り見取りと思われがちだが、
実際はそういう関係は持たないようにしている人もいるという事を知って欲しい。


「ねぇねぇ、このあとホテル行かない?」

目の前のテーブルに無造作に置かれている数本のボトルを眺めながら話を聞いていると、
いつものように耳に息がかかるほどの距離で囁かれた。
誰かに見られているかもしれない、なんて、
こんな場所で考える人は少ないのかもしれない。

世の中の不景気なんて関係ないと思える程の高額なボトルをいつも入れてくれる京子さんが、
久しぶりに電話をかけてきたのが昨日のことだった。

グロスをたっぷり塗った唇を俺の首に這わせながら言葉を続ける。

「もう一本入れるから」

首筋にかかる生暖かい息に嫌悪感を抱きながらも、
優しくその頬に触れた。

『あまり無理をしないでくださいね。
 少し痩せたように感じるのは気のせいですか?』

「わかる?」

『少し頬が……』

パッと俺から身体を離すと、バッグの中から鏡を取り出した。

「いつもよりチークつけてきたんだけどなぁ」

鏡に映る自分の顔を見ながら京子さんが呟く。

『大丈夫ですか?』

「うん、平気。最近忙しくてあんまり眠れないだけ。
 それはホストも同じでしょ?」

京子さんはホステスをしている。
どこの店で働いているかは知らない。
ただ俺に落としてくれる金額からすると、かなり人気のホステスだろう。

『そうですね、この時期は』

「クリスマスには来れないから、ごめんね」

俺の肩にもたれかかりながら甘い声でつぶやく。

「だから今日行かない?」

書入れ時の12月後半。
はっきり言ってそんな余裕は体力的にも時間的にもない。
あったとしてもそういう関係にはならないと決めている。

少し離れたテーブルにはもう1人、俺の客がいる。

今は他のホストが相手をしてくれているが、
どうにも嫌な空気が流れている。

『京子さん、少しだけごめんね』

ぽんぽんと優しく頭に手をやって、その場を離れた。




『すみません、お待たせして』

京子さんが来るよりも先に来ていた女性客のテーブルについた。
何度か来てくれている中年女性だ。
自分の母親と同じぐらいの年齢だろうか。

相手をしてくれていたホストが「助かりました!」と顔で訴える姿にうなずき、
すぐに京子さんのところに行くように伝えた。

「もう帰ろうかと思った!」

よく言われる耳の痛い言葉を吐かれて、
心底申し訳なさそうな表情をしながら謝ると、
コロッと態度を変えて勢いよく抱きついてきた。
押し倒されそうになる身体を何とか支えて、
分厚い肉に覆われている背中に手をやる。
多分……というか確実の俺より10キロ以上重い身体は、
京子さんの倍はあるだろうか。

片手は背中にまわしたまま、もう片方の手でシャンパンをグラスに注いだ。
複数のテーブルを回るときは、相手に程よく酔ってもらうのがいい。
とにかく飲んでもらう。
そして酔ってもらう。できればほどほどに。
さらにボトルを入れてくれたら嬉しい、が……。

視線を京子さんがいたテーブルに向けると、
泣いているのを必死に周囲のホストがなだめていた。
泣かれたからといっていちいと動揺していてはホストは務まらないが、
機嫌を損ねて帰られても困ってしまう。
特に太客には。

京子さんはほかに気に入っているホストが何人かいる。
その中の誰かがついてくれると助かるが、
みんな指名が入っていて席を離れられない。
こんなとき、身体が2つあったらとホントに思ってしまう。


10代の頃の自分だったら、ふたり相手にするぐらい何てことはなかっただろう。
毎日たくさんの人に連絡をして、お店に来てもらってお金を落としてもらい、
少しでも多く稼ぐことばかりを考えていた。
お酒を飲めない分、ひたすら丁寧に接客をしたし、
まだ10代であることを利用して、年の離れたお金持ちと分かれば、
可愛い息子役を演て可愛がられるようにしていた。


2000万。


とにかく4年で2000万円を稼ぐこと。
弟が進路を考える頃には用意できているように。

それだけを考えていた。


結果的には2年経たないうちに、その額を貯めることが出来た。
この顔に初めて感謝したのもこのときだった。
ホストとして努力をしなくなった今でも、
こうやって稼げているのはこの顔のおかげだろう。
この顔に産んでくれた母には感謝しかない。
もちろん父にも。


いま高校2年の弟からは「奨学金でいくから」と言われた。
俺が稼いだお金で大学に行くことに抵抗があったようだが、
母親に説得するようにお願いし、
最終的には俺が稼いだお金で進学することを決めてくれた。


自宅から通える国立大へ行くと言っていたから生活費はかからない。
「もうお金は十分だから、無理はしないで」と母親に言われたが、
その言葉をそのまま返し、
「週2~3日のパートにして家でゆっくりしてよ。
 仕送りは続けるから。もう何年も旅行にいってないでしょ?
 弟が大学に行ったらゆっくり行ってきなよ」
そんなことを母に言って、翌日に旅行代として10万を振り込んだ。      

お金を稼ぐことがどれだけ大変なのかよくわかっている母は、
きっと無駄なものに一切使わず貯金をしているだろう。
それも大事なことかもしれないけれど、父が亡くなって10年以上働き通しなのだ。
少しぐらい贅沢したってバチは当たらない。

今年のお正月は久しぶりに実家に帰るのもいいかもしれない。
父親のお墓参りもしたいし。

母と弟にも会いたい。

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| 「僕の一日」  | 00:47 │Comments0 | Trackbacks0編集

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